手ぶくろを買いに

キツネ版「はじめてのおつかい」的な感じで、子ギツネが一人(一匹)で町まで手袋を買いに行く物語。
母親に片手だけ人間の手に変えてもらって、お店でお買い物をする際はそっちの手を出すよう強く言われていたのに、最後子ギツネがドジして普通にキツネの手を出しちゃうのが可愛すぎてヤバイ。
しかも、お店のおじさんも一瞬怪しむけど、結局黙って売ってくれるあたり最高にハートウォーム。

でも大人になって冷静に考えると、四本の足のうち一本だけ人間の手をした子ギツネが、四足歩行で町を目指してる姿は大分シュールだと思う。

手ぶくろを買いに - 新美南吉  - 黒井健

新美南吉 黒井健

著者情報

新美南吉

1913(大正2)年7月30日~1943(昭和18)年3月22日。
愛知県知多郡半田町(現在の半田市)出身。本名:新美正八(にいみしょうはち)。
児童文学者。東京外国語学校英語部文科卒業。
代表作:「ごんぎつね」「手袋を買いに」「おじいさんのランプ」「牛をつないだ椿の木」「花のき村と盗人たち」「久助君の話」「でんでんむしのかなしみ」他。
幼くして母を失い、養子に出されるなど寂しい幼少期を送った新美南吉は、中学生時代から創作を始め、弱冠18歳で「ごんぎつね」を世に出しました。病に苦しみ、作家としての成功を前に29歳で世を去りましたが、その短い生涯を通して、数多くの童話、小説、詩、童謡、戯曲などを創作しています。
物語性豊かでユーモアとペーソスに満ちたそれらの作品は、愛知県知多半島の風土を背景に、哀しみの中にも心の通い合いや美しい生き方といった普遍的なテーマが描かれ、死後70年が経つ現在もますます多くの人に親しまれています。

著者の作品一覧

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